サウダーヂな夜

年の瀬。

  • BID100|2017年12月30日


年内最後の営業日、私はヒバリに少し駆け足で到着する。昨日の夜にfacebookでアップしたお飾りが、売れて売れて大変なことになっているかもしれない。さっちゃんがあわあわなってるかもしれない。そわそわした気持ちで出勤したけれど、ヒバリはいつもの通常営業だった。少し違うといえば、風変わりなおじさん二人につかまって、叙情的な映画批評を読み上げられ、ちんぷんかんぷんな顔になった私が、「正直だ」と笑われたことくらい。おかげで今年の最後に、詩人の名前をひとつとそれにまつわる映画のことを少しだけ知った。(そして、そんな話に付き合えるくらいにゆったりとしたランチタイムであった。)

商店街にも冷たい風が吹き込むようになって、もう随分と経つ。ヒバリ照ラスの底冷え対策に履き始めたムートンブーツがこの冬の必須アイテム。県北育ちの私は防寒に抜かりがない。ヒートテックにあったかパンツに、さすがに貼るカイロはまだ出動させてないけど、とにかく自分を温める手段はしっかりと知り尽くしている。だけどそんな私も、いわゆるヒバリのフトコロ的な部分の温め方は全くもって上手じゃない。

朝起きてから夜ベッドに入るまで、ずーっとヒバリのことが頭から離れなくて、ようやく眠りに就こうって思った時にも夢にまでヒバリの誘いがやってくる。まったく、ストーカーだよ、あいつはもう。自分が必要としているからどうしたら続くのかなって考えるけど、必要とされてないんだよなあ。ここがなくても、色んな人が豊かな生活を営んでいる。ま、とはいえ、ヒバリをもっとわかりやすく、私がきちんと世間に必要とされるものにまで落とし込めていないだけの話でもあるのだ。何が必要とされているのか理解できてないだけ、な話でもあるのだ。

そんな時、お風呂に入りながら思いがけない言葉がぽろんっと私の口から飛び出した。「ヒバリに閑古鳥が鳴く。」そして、ピーピー鳴き回るヒバリが、どしんとした閑古鳥に巣を奪われている姿が脳内で再生される。となるとヒバリ照ラスはカンコ照ラス・・・。しまった、語呂もいい。あ。ああああああああー・・・・。(閑古鳥はカッコウの別名らしい。実在する鳥なのだ。)

そんな年の瀬、サウダーヂの瀬戸内プレイボーイズが解散するという。城主から「俺の切ない投稿を読んだか。」と言われ、空気を読んでfacebookの悲しいねボタンを押したけど「解散でもさせんと集客がなあ…。」と落ち込む城主を見て、私は「うけるね」ボタンを押し直した。彼らはどうしてそこまで体を張るんだろう。そんなおじさん達の姿をみて、それを自分に重ねて私は考える。何かが変わる時、それを受け入れて、行動しないといけないんだなあ。私がこれまで自分で選んできたと思っていたセンスが、答え合わせしたら満点だった、みたいにサウダーヂに導かれていた偶然にとても感動したことがあるのに「過去の流行にすがりつくな。」と突き放されたことを忘れていない。

年内の営業が終わり、ようやく一息だ。来年の始まりに向けて、色んなことを整えなければ。そんな気持ちで外に出た。ヒバリの大掃除をする前にクワイエットヴィレッジのカレーを食べに行こう。でもヒバリに張り紙するの忘れたからちょっと寄っていこう、とヒバリに寄ったら、テラスが酔っ払いに荒らされていた。くさいと思ったら、ゲボが・・・。もう、なんでだよ。よりによってカレーの気分の時にさあ。今年最後のオチも全く私らしくて、来年の私が少し心配になった。(しかもクワイエットヴィレッジはもう休みだった。)


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香具師 Profile

きり

「ヒバリ照ラス」スタッフ

ひょんなことから毎週日曜日「サウダーヂな夜」の昼営業にて働くことになり、ひょんなことから表町商店街のヒバリ照ラスで働いています。

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